アイドルグループの急進的な拡大はリスクを孕んでいます。

物心がつくっていう言葉がありますが、一番古い記憶をたどることって意外と難しいですよね。
ちなみに私の最も古い記憶は4歳の時の母親の誕生日のような気がします。ただ4歳の時のことをすべて覚えているわけではなく、ほとんどのことを覚えているのは8歳くらいからで、このあたりで物心がついたと言うのでしょうか。

物心がついた頃、つまり2009年頃アイドル界はAKB48が全盛期を迎えようとしていました。
いや、CDの売り上げ枚数的には2013年5月23日発売の「さよならクロール」が過去最高らしいですが、正直あっちゃん(前田敦子)の卒業する前までがこのグループのピークだったでしょう(個人の感想です)。あの頃のAKBには今のアイドルにはなかなか感じれられない、絶対に売れてやるというギラギラしたものを子供ながらに感じていたのを覚えています。

私はAKB自体はそんなに詳しくないですが、一応あきちゃ(高城亜樹)が人生最初の推しでした。ということで私の一番好きな曲は2009年に発売された14枚目シングルRIVERのカップリング「君のことが好きだから」です(だからこの人この時期を全盛期にしたいんじゃないの?)



指原より前のセンターで推しが踊っているのが今となっては驚きですね。
あきちゃは今結婚して子供までいるそうです。時の流れは本当に早いものです。

この2009年頃から、AKB48の大人数化が進んでいきます。正確に言えばAKB48グループの大人数化ですね。
2008年にSKE48が作られてからというもの、ある程度の間隔を取りながら日本にも海外にも少しずつグループを増やしていき、今は国内外に14ものグループがあるらしいです。
ちなみに上に書いた高城亜樹は、2012年に初めての事例として国内のグループから海外のJKT48に飛ばされることになります。今となってはいい思い出ですが、人生初の野外活動に出かけようとウキウキだった小学生の僕は、当日の朝このニュースを見て2泊3日の間心ここにあらず、といった感じでした。笑 

アイドルもビジネスですから、好調な時は規模を拡大していくことは当たり前です。ただしこの拡大には2つの問題点があったように思います。

1つ目はあまりに急進的だったことです。私は野外活動当日の事件が起きるまではAKBの出演する番組は録画して、メンバーは全員覚えようとしていた小学生にしてはそこそこのヲタクでしたが、メンバーが異常なペースで増えていく状況に把握が追いつけなくなっていきました。

2つ目は海外のグループに国内のメンバーを派遣したことです。もうこれは半ば恨みつらみのような感じになりますが、推しが突然海外に行く悲しみを感じることはなかなかないでしょう。笑 このやり口は今でもグループに残っているようで、最近では48の名前すらついていない韓国のグループにメンバーが飛ばされているようです。

わざわざ二つに分けて書きましたがこの2つの問題点の本質は一緒で、ファンとして応援のし甲斐が薄れていくのです。
新たなグループを増やす→そのグループにAKBから人員を派遣する→AKBに人員が足りなくなる→AKBの人員を補充する
というサイクルがあまりに短い間隔で行われたことで、AKB48という知っているグループの名前を名乗る知らない人たちが大量にいるという状態が生まれてしまい、興味が急速に失せてしまいました。

アイドルの規模を拡大することの難度は他の業界と比べても特に高いように感じます。
商品というのは人気がなくなったり、それを上回る性能をもつ物の出現によって売れなくなるものですが、普通の業界ではこのサイクルは早くとも5年くらいだと思います。
アイドル業界において商品となるのはアイドルとして活動する「人」ですが、この「人」という商品はいつ売れなくなるのかわかりません。ファンから飽きられて売れなくなるだけならまだいいのですが、この「人」という商品は卒業という言葉を使って「今日からこのグループの一員として売られるのやーめた!」などと言い出す可能性すら秘めているのです。
このような背景から、拡大し終わったころには誰も興味のない巨大な集団が出来上がってしまうというリスクが常に付きまとうわけです。

今回はAKBについて書きましたが、これから派生して乃木坂についても書きたいことがありますので次回は続きとして書こうと思います。



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする