スマートフォンが世間に普及し始めたのはいつ頃だったでしょうか。
私は親がそういうものに疎い人だったので高校生になって初めてスマートフォンを持ちましたが、中学時代にも友達はLINEなどのメッセージアプリを活用していたように記憶しています。
総務省はスマートフォンの普及率などについてデータを集めています。以下の資料は総務省ホームページより引用したものです。
2010年に一般に普及しだすや否や、その保有率は増加の一途で2017年現在では75.1%となっています。
最近では電子決済なども普及してきて、日常生活における依存はますます強まっていきそうですね。
それに伴って若者の「テレビ離れ」が進んでいる、なんていう話もかなり前から聞かれるようになりました。
以下ライブドアニュースの記事より、テレビをリアルタイムでつけている世帯の割合の変化を表したグラフです。
年によってある程度のずれはありますが、全体としては視聴率が下がり続けています。
今までテレビを見ていた時間にスマートフォンを見る若者が増えるようになったわけですが、これを覆すのは容易なことではありません。
一時的にテレビを見ないだけなら面白い内容の番組を作ればいいのです。
しかし、これだけ長い間視聴率が下がり続けているところを見ると若者にテレビを見ない習慣が染みついてしまっているようです。
習慣を正そうとするのってこのことに限らず大変ですよね…
一般的には習慣を変えるのには2週間同じことを意識的に続ける必要があるといわれているみたいです。
テレビ業界にこの話を持ってくるならば、面白い番組を2週間作り続けるということになるのかもしれません。ただ、人によって面白いと感じるものは千差万別ですし、そもそもどんなに面白いものを作ったところでスマートフォンしか見ない若者にはそれを知らせることすらできないわけです。
一般的に習慣を変える時は、その習慣によって不利益を受ける人と習慣を変えるべき人が同じ人である場合が多いのです。しかし、この場合テレビ離れによって不利益を受けるのはテレビ業界の人間で、その人たちにとって習慣を変えてほしい相手は視聴者なんですよね。
テレビ業界の人間の体質が変わったところで現状は何も変わらない、ということがこの問題の難しいところです。
頭を悩ませたテレビ局が出した答えは「アイドルの力を借りること」でした。
いや、これはただの憶測にすぎないのかもしれませんが、私には思い当たる節があります。
ジャニーズ事務所所属の人たちをニュース番組等で見ること多くないですか?
音楽業界もこのスマートフォンの拡大の影響をもろに食らっている業界です。少し前にサブスクリプションについて書きましたが、あのような正規の方法以外に、音楽の動画サイトへの違法アップロードなどが横行しています。だからこそ、ジャニーズは音楽以外の新しい事業の開拓先を探しているわけですね。
テレビの側からしても、ジャニーズは一定数の若い絶対的なファンを持っていますから、起用することで今まで若者が見ていなかったジャンルの番組で新しい視聴者を獲得できる可能性を秘めているわけです。
ウィンウィンの関係ができてしまったのをいいことに、テレビ局はどんどん情報番組にその人たちを起用するようになりました。
個人的にはニュースくらいしっかりアナウンサーが読んてくれよ…という気持ちもあり、最近はNHKしか見なくなりましたね。私のような若者がそう思っている以上、長期的な視点で見るとこの戦略がいいと言えるかは微妙な気もします。
同じようなことが女性アイドルでも起こっています。
アイドルがモデルに起用されたり、舞台女優の仕事をしてみたりということが多くあります。
本業に支障が出ないのなら問題はないのですが、徐々にアイドルの活動から別の活動にウェイトが移っていくこともしばしばあります。乃木坂を応援していた時にも、舞台の練習のために握手会をお休みします、なんていうアナウンスがあり萎えた記憶があります。
もちろん橋本奈々未のようにアイドルの卒業と同時に芸能界も引退していくアイドルもいますが、メジャーアイドルの多くは女優や歌手、マルチタレントとして芸能活動を続けるように思います。
アイドルの応援はその成長を楽しむことが目的ですからそれ自体はいいことだと思います。ただし、アイドルが次のステージへの踏み台のように扱われるのはアイドル文化の素晴らしさを知っているだけに一抹の寂しさを覚えるのです。
アイドルとして完全燃焼してから次のステージに向かうのではだめなのでしょうか。