佐々木琴子さん声優デビュー作 朗読劇「ドラゴンギアス」の感想・レポートです。


※この記事には多分にストーリーのネタバレが含まれます。苦手な方はブラウザバックを推奨します。




今回は4月7日~4月11日に渋谷区文化総合センターの伝承ホールで行われた朗読劇「ドラゴンギアス Another -再生のための物語-」を見てきた感想を書き連ねようと思います。ちょっとブログをさぼっていたらもう3週間もたっていました。笑 見てきた方の遠い記憶を呼び戻す手助けになれば幸いです。笑

私がこの朗読劇をわざわざ東京まで見に行った理由は一つ。この劇が私の一番の推しである佐々木琴子さんにとっての声優デビュー作となったからです。

狭義の意味ではアイドルを卒業した琴子さんですが、アイドルはファンとともに成長していく存在だとよく言われます。そういう意味では琴子さんは今でも私(たち)にとってのアイドルであり、彼女のデビュー作であるこの作品の成否は単なる興行として片づけられない大きな意味を持っていたのです。

結論を先に言ってしまうと、琴子さんは劇の中心人物としてしっかりとその役割を果たしていました。最後にアイドルとしての姿を見た日から、こちらの想像をはるかに上回るスピードで一回りも二回りも大きく成長していたのです。詳しく述べる前にまずはストーリーの説明をしておきましょう。




Contents

ストーリー




この劇は同名のボードゲームが原作になっています。大まかなストーリーはこちらをご覧ください。




参考.アメツチ動画チャンネルより




まずは広報担当に説明するドラゴンギアスの世界観「きっと、うまく伝わってない」の回【アメツチチャンネル】





劇の主人公は騎士団の衛生兵であるエリックで、琴子さんが演じたのはへクスギアスを操る魔女であるレナです。

この劇は前半と後半で大きく雰囲気が変わります。前半は王立選抜学校での騎士団メンバーの発表から始まります。続いて無事騎士団に選ばれたエリックが同じく騎士団に選ばれた他のメンバーや魔女であるレナと初めて対面を果たすのです。

この時騎士団のメンバーとはある程度打ち明けることができたエリックですが、魔女であるレナとはイマイチ距離を縮めることができません。話しかけても最低限の返事が返ってくるだけで、すぐにどこかに行こうとするのです。また、騎士団のメンバーが人生の目標を話し合う場面でも彼女の口から生きる目的は出てきません。しかし、それは彼らが騎士団と魔女という全く違う境遇で育てられてきたことを考えれば当然であり、騎士団のメンバーは気に病まないようエリックに声を掛けます。

このようなすれ違いはあったものの、前半パートは概ね穏やかな雰囲気で進みます。

が、一転して後半パートは一気に険しい雰囲気に様変わりします。それは数十年に一度とされる竜の襲撃が実際に起こってしまったからです。

竜の殲滅戦に出兵した騎士団の生還率は約30%と非常に低く、魔女に至っては100%生きて帰ることはできませんでした。そんな出撃の直前、騎士団たちは騎士長であるヘンリーから家族への手紙を書くことを勧められます。しかし、彼らはそれを拒否します。この時の彼らは生きて帰って家族への言葉を伝えようとしており、生きることへの希望に溢れていたのです。

そうして実際に竜との戦いが始まる後半パートに入るのですが、彼らから溢れていた希望とは裏腹に登場人物がどんどんと死んでしまいます。死んでいく騎士たちは皆生きる希望を仲間に託しながら消えて行き、最終的に衛生兵として魔女の手助けをしていて生き残ったエリックに託されることになるのです。

騎士団だけではなく、自らの魂を使ってヘクスギアスを動かしていたレナも命の危機を迎えます。手助けしていたエリックは何とかレナをドラゴンの襲撃を防げる場所に連れて行ったのですが、既に致命傷を負っていたレナを救うことはできませんでした。しかし、この場面で魔力を失ったことで人間の感情が理解できるようになったレナとエリックの最期の会話がなされます。このシーンについては是非映像で確かめてほしいと思うので言及はしませんが、間違いなく感動すると思います。

また、舞台に登場する語り手にも大きな秘密が隠されています。とにかくまだ見ていない方にはBlu-rayを購入して~再生のための物語~とはどういう意味なのか確かめてほしいです。




琴子さんについて




前述の通り今回琴子さんは魔女であるレナ役で出演しました。

まず、ビジュアルに関しては言うことのないパーフェクトっぷりでした。彼女は6.7年前(前すぎてもう曖昧)に出会って以来1度の例外もなくパーフェクトですが、実際に見るたびその圧倒的な美貌に心を射抜かれてしまいます。今回も袖から袖に横切るように登場した琴子さんを思わず目で追いかけてしまいました。

しかし、今回はそれ以上に彼女が「声優」になっていたことに驚きました。彼女のことを途中から大好きな佐々木琴子さんとしてではなく、劇中の人物であるレナとして認識していることに気づいたのです。これはどんな姿もあくまで佐々木琴子として応援してきた(狭義の)アイドル時代にはあり得なかったことです。

特に人間である騎士団の感情が理解できなかった前半と魔力を失った状態でエリックと話す後半の演技の差は「声優」そのものでした。ストーリーを知らない状態で前半の演技を見て「まだ棒読みの部分もあるけどデビュー作だからしょうがない」なんて思っていた自分を殴りに行きたい気分です。声優デビューが発表された去年の10月からわずか数か月でここまでの成長を遂げる彼女が選ばれし天才であることを改めて気づかされました。




その他




コロナ対策について




緊急事態宣言突入前に何とか行う事ができた今回の舞台、コロナ対策はやはり万全に行われていました。座席の空席確保(1席間隔ではなかった?)、換気のための休憩、最前列のフェイスシールド着用などがその例で、特にフェイスシールドは気になってしまった人も多かったようです。




朗読劇というジャンルについて




私は朗読劇というものを見に行くのが人生初で普通の劇とどう違うのか全く知りませんでしたが、結論としてはこの二つは似て非なるものでした。

普通の劇との一番大きな違いは演者さんが台本を読みながら劇が進行していくことです。視覚から多くの情報を得る普通の劇に比べて聴覚から得る情報が圧倒的に多く、衣装やセットは見る人の想像を補助する意味が大きいようです。それでも声優さんや俳優さんの高い演技力のおかげで世界観に入り込めないという事は全くありませんでしたし、むしろファンタジー要素の強い今回の劇は頭の中で情景を補完できる朗読劇の方が良いとさえ思えました。

また、登場人物が死んでいく際台本を閉じ消えて行くなど朗読劇特有の演出があることも非常に興味深かったです。




以上朗読劇「ドラゴンギアス Another -再生のための物語-」の感想でした。はっきり言って琴子さんを目的に見に行った私でしたが、徐々に物語に引き込まれていき最終的にはこの作品のファンになりました。声優として羽ばたいていく推しがこれからどんな作品に出会わせてくれるのか、今から期待に胸を躍らせています。

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