逃げ候補トーラスジェミニとヨシオの分析から3強を比較します。(今週の予想:ジャパンカップ)


競馬ファンを始めてもう7年になりますが、これまで見てきたレースの中で間違いなく1番の盛り上がりと言えるレースがいよいよやってきます。今週の予想はGⅠ8勝馬アーモンドアイと今年の無敗3冠馬コントレイル、デアリングタクトの最初で最後の対決となるジャパンカップ(GⅠ)です。

前回は少し変わり種の予想としてジャパンカップのサイン予想を行っていますのでまだ見ていない方はぜひ。








真面目な予想をする前に馬券を購入される方への注意も含めてもう一つだけサイン予想をしようと思います。

予備知識として競馬の開催について少しお話します。通常メインレースは11Rに設定されていて、メインレースの後に2勝クラスなどの条件戦が1レース組まれることがほとんどです。このような開催にしている最も大きな狙いは観客の退場を分散させることです。これは何もコロナ禍で密を避けるためというわけではなく、東京競馬場のように大きな競馬場だと10万人以上の観客が同時に入場することもあるため少しでも混雑を減らして安全に退場させる必要があるからです。メインレースで負けた人の泣きのもう一レースを用意することで分散退場させるのはユーモアを感じます。笑

例年このジャパンカップは東京競馬11月開催最終日のメインレースとして行われます。しかし、このレースはなぜか普通のレースとは異なり最終レース12Rに番組が組まれている(年によっては最終11レース)のです。馬券を買う方は注意してください。
調べたところ、これにはジャパンカップが開催される時期が大きくかかわっているようです。11月といえば年末も近づき日が暮れるのも早くなる時期で、最終レースの頃にはすでに日没時間も近いという状態になります。これだけでは何も問題ないように思えるのですが、JRAには競馬を日没前に行わなければならないというルールがあります。そして、この時期の東京競馬場はメインレース後にもう一レース行うと、何らかのアクシデントで出走時間が遅れた場合日没の時間を過ぎてしまうのです。大レースを普段と違う日程で行うのかと疑問に思っていましたが、やはりそれ相応の理由があるものですね。

同じような理由で、11月くらいからJRAの番組には「冬時間」が採用されています。これは普段関西→関東の流れで開催されるレース順が、関東→関西の順に変更されるという物です(GⅠレースの開催日を除く)。これは日没が少し遅い関西のレースを遅らせることで、レースが開催できないという事態を防ぐことが目的です。
普段競馬を見る上では必要のない知識ですが、知っていると自慢できるかもしれませんね。

ジャパンカップが普段と違う12Rに行われることから、12番に強いサインを感じます。12番に入っているのはマカヒキ、もう4年前になりますがこの馬も東京2400mのダービーを勝った馬であることを忘れてはいけませんね。中間の調整では昔の雰囲気が戻ってきている(この馬はいつもこんなことを言っている気がしますが)ということで、あわやの場面もあるかもしれません。

それではここからは真面目に予想をしていきます。今回のレース、3強の優劣を考えるためにいろいろな物差しを用いて考えました。馬場については超高速ではないものの各馬力を出し切れる良馬場ですし、今回は他の出走馬に注目して展開について考えてみようと思います。

その出走馬とはメンバー唯一の生粋の逃げ馬トーラスジェミニです。他にもダートからの転戦となるヨシオも逃げ宣言をしていますが芝での実績はほぼ皆無ですから、芝で逃げてオープンを勝っているこの馬がいるおかげでレースが締まることは間違いなさそうです。
先週レシステンシアについて触れた際、逃げ馬には後続に脚を溜めさせないタイプとマイペースで逃げて二枚腰を使うタイプがいると書きました。今回展開のカギを握るトーラスジェミニはどちらかといえば前者のタイプです。過去5走を見るとラスト3ハロンで0.3秒以上加速したレースがなく、この馬が逃げると速い上がりにはなりにくいのです。

また、ジャパンカップというレース自体もそれほど極端な上がりが求められるレースではありません。34秒台前半の上がりが使えれば十分なのです。3頭ともに十分な地力があることは前提として、その上で東京競馬場で要求されがちな瞬発力以外の総合力を考えたいレースです。

ただでさえ難しい古馬と3歳馬の能力比較、今回は以上のことを頭において印をつけました。
それでは以下印と考察です。

今週の予想:ジャパンカップ
◎コントレイル
○アーモンドアイ
▲ユーキャンスマイル
△デアリングタクト
△グローリーヴェイズ

◎コントレイル




2020 皐月賞





皐月賞の勝ち方を見て、今年の牡馬3冠馬コントレイルを本命にしました。

このレースでは外枠を引いたキメラヴェリテが半ば強引に逃げて淀みのないペースになりました。コントレイルは道中中段後ろにいましたが、3コーナーで外に出すと一頭だけ違う脚色でまくり一気に先団を飲み込みました。直線は内でじっと我慢していたサリオスとのたたき合いになりましたが、まったく抜かれる気配はなく着差以上の完勝といった印象でした。

東スポ杯2歳ステークスの競馬を見た時には東京専用機かと思っていたこの馬ですが、皐月賞での勝ち方で瞬発力勝負だけではなくどんな競馬でも勝てるだけの能力を持った馬だと確信しました。牝馬らしい瞬発力を備えた他の2頭が同じようなコース取りをしてGⅠを勝てるかといわれると、疑問符が付きます。

先週の満足のいく乗り方ではないながらも古馬GⅠで掲示板を確保しましたし、今週はコントレイルが世代ナンバー1の実力で叩き合いを制して牡馬の力強さを見せてほしいと思います。

○アーモンドアイ
先月の天皇賞でGⅠ8勝目を挙げた名馬です。そのうち5勝が東京競馬場で挙げたものということで引退レースにふさわしい条件でしょう。上のような理由から対抗評価にしましたが、当然2番手には名前が挙がる馬です。

ただ1つ心配材料を挙げるとすれば、1戦の消耗が大きいためレース間隔が詰まるのが良くないという点です。大きなけがなく5歳の暮れまで走って今回が15戦目ということで、これまでも大事に間隔を取りながらレースに使われてきたことが分かります。今回と全く条件が違うとはいえ、香港に遠征できずちぐはぐなローテで大敗した昨年と重なる部分もありますし、この点が大きく響く可能性は0ではありません。名牝であることは間違いありませんから、とにかく無事にレースを終えてほしいですね。

▲ユーキャンスマイル
面白いのはこの馬です。昨年のこのレースでも0.6差の5着とGⅠで差のない競馬を続けている馬ですが、今回の速すぎない良馬場はこの馬にとって最も適性のある馬場で、あと一押しになる可能性があるます。

前走のアルゼンチン共和国杯は前ラップから1.3秒加速したところで少し置いて行かれた印象で、その後地力で盛り返しましたが及びませんでした。今回は前述の通りそれほど瞬発力勝負にはならないでしょうし、叩き2戦目で馬券内確保があっても驚きません。

前走まくりの競馬をして勝利したものの、オークスよりもパフォーマンスを落とした△デアリングタクトは連下としました。同世代の戦いでは地力の違いで押し切りましたが、ベストパフォーマンスが発揮されるのはオークスのような後方でどっしりと構えてスパートをかける競馬でしょう。ローテーションには魅力があるものの3強の中では強く推せる材料が見当たりませんでした。

△グローリーヴェイズも同様の理由で強く推せるわけではありませんが、昨年の香港ヴァーズでラッキーライラック以下を完封しているのを見ると地力は足りていると考えて連下に入れておきたいと思います。有力馬より前で運ぶことが望ましいため大外枠は少々不利ですが、これを川田騎手がどう乗るかは見ものです。

以上トーラスジェミニの逃げを中心としたジャパンカップの予想でした。脚力の差で無いとは思いますが、もしヨシオが競りかけてくればさらに持久戦の様相を呈してきそうです。
とにかく歴史的な1戦であることは間違いありませんから、全馬力を出し切れることを祈っています。

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