マイル王者インディチャンプの足元をすくう伏兵を考察します。(今週の予想:阪急杯)


先週予想したフェブラリーステークスは4歳馬カフェファラオが勝利しました。




2021年 フェブラリーステークス (GⅠ) | 第38回 | JRA公式




この馬は自分の競馬ができれば強いというのは昨年のユニコーンステークスを観れば疑いようのない事実ですが、ここまで上手くいくことは予想しにくかったです。逃げ候補だったサクセスエナジーとインティがともに控えたことで道中馬群に揉まれないままレースを進めることができ、これが最後の伸びにつながったのでしょう。直線半ばで抜け出すとあとは持ち前の脚力で突き抜けるだけといった感じでした。

人気馬でしたからもう少し周りのジョッキーにはプレッシャーをかけてほしかったという思いもありますが、最終的に乗った馬を勝たせるのがさすがルメールといった所でしょう。馬に関しても地方の深い砂といった条件や馬群に包まれる展開など苦手が多い馬ですから、ここしかないというGⅠで結果を残すことができて良かったと思います。

感動したのは2着に入ったエアスピネルです。この馬については戦前にブログを書いていますので、読んでいない方はぜひ。




エリート血統のもとに生まれながら、なかなかGⅠタイトルに手が届かなかったキングヘイロー。試行錯誤を繰り返しながら、通算11度目のGⅠ挑戦で高松宮記念を制覇します。ファンとしては今週フェブラリーステークスに出走するエアスピネルを彼の姿に重ねてしまいます。




これだけ好きな馬でありながら印を回さなかったのは、東京マイルという条件にもっと合っている馬が大勢いたからです。一般に直線の長い東京では小回りの中山などに比べて大味な競馬をする馬に利があるとされます。今回はハイペースが予想されていましたから、余計に後方一気を狙う馬を重視する予想になりました。

しかし、実際のレースでは前述の通り思いのほかペースが落ち着いたことで内内を上手く回った馬にチャンスが巡ってきました。こうなると操作性の良さが武器であるスピネルに出番が回ってきたのにも納得がいきます。本音を言えばもう少し早く外に出せればという気持ちはありますが、最後は脚色が一緒になりましたから勝ちまでは厳しかったと思います。持てる力を最大限に出した鮫島騎手の好騎乗に感謝したいと思います。

予想の方はというと、やはり展開を読み違えたことがすべてだったと思います。4角で重い印をつけたサンライズノヴァとミューチャリーは予想通り大外を回して直線に欠けましたが、やはり伸びきれませんでした。今回の結果は度外視して、展開次第で再び狙ってみたいと思います。

以上フェブラリーステークスの振り返りでした。

今週は阪急杯(GⅢ)を予想します。

2019年春秋マイル制覇を達成したインディチャンプ、前走復活を果たした2歳女王ダノンファンタジーなど過去数年を見渡しても1番と言える豪華メンバーが集結しました。もちろんこれらの馬が中心になるでしょうが、17頭という他頭数の隙を突いて好走する馬を見つけていきましょう。




Contents

レース傾向




過去五年のレースでは、前半3ハロンが34秒前後で勝ちタイムが1分20秒台前半とレース傾向が色濃く出ています。ただし脚質は逃げから追い込みまでまんべんなく決まっていて、どの馬も力を出し切れるレースであると言えるでしょう。一応の傾向としては逃げ・先行馬は内枠から、差し・追い込み馬は外枠から多く好走馬が出ています。




レース条件




馬場




土曜日同コースで行われた阪神12Rでは、1分20秒フラットという2勝クラスとしてはかなり早い時計が出ました。複数頭が絡んだハイペース戦だったことを考えても例年よりも高速決着になることが予想されます。上がりも33秒台後半は使える馬でないと用がなさそうです。

また、芝コースは完全な外差し馬場になっています。先ほどのレース傾向と合わせても外から差してくる馬を中心に考えます。




展開




スプリント戦で先手を取る先行力を持っている4番ロードアクアがいることである程度ペースが流れることは間違いないでしょう。例年通り34秒台前後の入りで推移しそうです。

難しいのはもう一頭の2才女王レシステンシアの存在です。快調に飛ばし2歳レコードで完勝した阪神ジュベナイルフィリーズの実績があるように、ハナを切って結果を残してきた馬です。しかし、近走は逃げてもスローに落とすことが多くロードアクアに競りかけるかどうかは微妙です。もし意地でも逃げる展開になれば前が更に速くなり、後ろの馬に有利に働くでしょう。




印と考察




◎トライン
○インディチャンプ
▲レシステンシア
△ベストアクター
△ミッキーブリランテ
△クリノガウディー




◎トライン




3走前に3勝クラスを勝利しオープンに昇級した馬です。

この馬の強さは何といってもキレ勝負になったときの決め手でしょう。33秒台の上がりは勿論のこと、500万下を勝利した際には上がり32.9というとんでもない脚を使って勝利しています。直近の勝利である3勝クラスのレースでも重賞好走歴があるウイングレイテストを直線半ばで軽くかわしており、脚力は重賞級のものを持っています。

前走は案外な結果に終わりましたが、これは内枠を引いたことで先行せざるを得なかったことが大きいと思います。この馬の持ち味は溜めてキレる脚を使うことであり、そういう意味では後ろからの競馬に徹することができる外枠は良い材料です。人気各馬を外からまとめてかわすシーンが見たいものです。




○インディチャンプ




2019年春秋マイル制覇を達成した馬です。

結果として昨年はマイラーズカップの1勝に終わりましたが、主戦場のマイルで先着を許したのはグランアレグリアとアーモンドアイの2頭のみという十分な成績を残しました。ここではさすがに地力が違うでしょう。

1つだけ心配なのはやはり距離です。この馬に関しては完全なマイラーであり、200mでも距離が変わることはパフォーマンスの低下につながります。前走同コースで行われた阪神カップでも出遅れや道中の不利はなかったにもかかわらず、いつもより1列後ろでの競馬となりました。馬券内を外すことはないと思いますが、前を1頭捉えきれず取りこぼすという可能性は十分ありそうです。




▲レシステンシア、△ベストアクター、△クリノガウディー、△ミッキーブリランテ




レシステンシアに関しては本当に乗り方一つだと思います。過去の敗戦からこの馬にとってベストな乗り方を騎手が把握できているかにすべてがかかっています。スローペースに落とすような騎乗をすればキレ負けで一気に馬券外でしょう。




以上今週の予想でした。久々にGⅠの振り返りをして春が近づいていることを実感しました。そろそろ3歳重賞を振り返り、今年のクラシック展望をしようかと思います。