エアスピネル通算9回目のGⅠ挑戦に名馬キングヘイローの記憶が蘇ります。(今週の予想:フェブラリーステークス)


時が過ぎるのは本当に早いものです。クロノジェネシスが春秋グランプリ制覇の偉業を達成したのは昨日のようですが、現実には今年初のGⅠフェブラリーステークスが明日に迫っています。気づけば春のGⅠシーズンが到来し、今年のダービー馬が決まっているのでしょう。

競馬を見ていると、時の流れが過ぎる速さが目に見えて実感されます。フェブラリーステークスに出走するエアスピネルも明け8歳を迎えました。私はエアスピネルのファンで、この馬については過去にブログを書いています。まだ見ていない方はぜひ。








少し話はそれますが、最近この馬の成績を眺めていてある名馬の存在を思い出しました。その名馬とは2000年の高松宮記念勝ち馬キングヘイローです。

このキングヘイローという馬は母がケンタッキーオークス馬という超良血馬です。また、デビュー三連勝で重賞制覇という血統通りの実力も兼ね備えたクラシック有力候補でありました。

しかし、この馬が挑戦した1998年クラシックはスペシャルウィークやセイウンスカイといったスターホースが名を連ねたハイレベルな年でした。今や3冠ジョッキーとなった主戦の福永騎手も当時はデビュー2年目で、そのような理由からクラシックでは全く歯が立たなかったのです。その後も下のクラスでは勝つものの、GⅠになるともうワンパンチ足りないという競馬が続きました。

何とかこの馬にGⅠタイトルを獲らせたいと考えた陣営はそれまでの中距離路線からシフトチェンジし、スプリント路線やダート路線に挑戦させました。数戦は勝負にならなかったものの、2度目のスプリント戦となった2000年の高松宮記念で悲願のGⅠ初勝利を果たすのです。GⅠ挑戦はセイウンスカイに敗れた皐月賞から数えて11回目のことでした。

話をエアスピネルに戻しましょう。エアスピネルは先ほども紹介したように明け8歳、キングヘイローが高松宮記念を勝利したのは旧表記で6歳(現在の5歳)と大きく年齢は違います。また、直近1年で複数のGⅠ好走歴があったキングヘイローと3年以上GⅠで好走歴がないエアスピネルでは状況が全く違うことは重々承知しています。

それでもスピネルのGⅠ制覇を心から願うファンとして、エリート血統からGⅠ制覇を目指して様々な路線に果敢に挑戦したキングヘイローを重ねてしまうのです。長く第一線に立ち応援させてくれただけでも感謝の気持ちで一杯ですが、もし明日GⅠを勝つなんてことがあればこれ以上に嬉しいことはありません。

以上明日のフェブラリーステークスに出走するエアスピネルについての話題でした。

それでは予想に移りましょう。前述の通り今週の予想はフェブラリーステークス(GⅠ)です。




Contents

レース傾向




インティの逃げがほぼ確定していた2019年を除きここ5年は入りの3ハロンが34秒台前半と比較的速いペースになっています。そのため決着は中段から後方寄りに位置どった馬で独占されることが多いです。1800m以上に実績を持つ馬が好成績を残しているのも中段でどっしりと構えられることが求められるからでしょう。

枠順に関しては内も外も均等に来ているという印象です。外枠を引くほど最初の芝が長くなりますから、その点に注意をして個別に評価したいところです。




レース条件




馬場




今日の4レース3歳1勝クラスでは、ミドルペースで流れ最後は1.25.1という時計での決着となりました。これは同クラスのレースと比較しても平均的な良馬場のタイムといった所です。月曜日にかなりの量の雨が降りましたが、さほど影響は残らなかったようですね。明日も降水の確率は低いですから過去数年と同様の状態で競馬が行われると考えられます。勝ちタイムは1分35秒台前半を想定しています。




展開




どの馬にも不安要素があるメンバー構成で、戦前から枠順によって大きく展開が変わることが予想されました。結果としてサクセスエナジーやインティといった逃げたい馬とカフェファラオやエアアルマスといった包まれたくない馬が内枠に入ったことにより、ややハイペースになりそうです。先行する内枠の馬を見ながら競馬をできる馬を重視したいところです。




予想印と考察




◎サンライズノヴァ
○ミューチャリー
▲オーヴェルニュ
△アルクトス
△インティ
△カフェファラオ




◎サンライズノヴァ




チャンピオンズカップからの直行となるサンライズノヴァを本命にしました。少し地味ながらこの馬はれっきとしたGⅠホースです。

どのような条件でも安定して実力を発揮する馬ですが、ベスト条件はやはり左回りのマイル戦でしょう。GⅠ勝利を飾ったマイルチャンピオンシップ南部杯ではすんなりと前目につけて後方を完封する正攻法の競馬をしています。最近でもタイムフライヤーやモズアスコットといった強豪が集まった武蔵野ステークスで完勝を収めています。

展開が読みにくい今回は脚質に自在性があるのもいい点です。内の先行争いを見ながら自分のペースで競馬ができるでしょう。GⅠ初勝利がなんともいえない形に終わった松若騎手の逆襲に期待しましょう。




○ミューチャリー




地方からの参戦となる馬です。昨年もこのレースに参戦して11着に敗れています。

実績十分という馬がいない今年のメンバー構成の中で、GⅠレースで健闘し続けてきたこの馬の力は勝るとも劣らないものがあると思います。特に去年の東京大賞典では3連覇を達成したオメガパフュームから0.2秒差の5着まで追い込みました。もう少し早く外に出せていれば勝ち負けもあったかもしれません。

この馬にとってするべきレースは決まっていますから、変にごちゃつかない外枠を引けたのも好材料です。メイセイオペラ以来2頭目の地方馬による中央GⅠ制覇は夢物語ではありません。




▲オーヴェルニュ、△インティ、△カフェファラオ、△アルクトス




混戦ということで以下は地力のある馬を並べました。いずれの馬も勝つときは非常に強い勝ち方をするものの、一方で脆さも兼ね備えている馬です。特に内枠を引いたインティ・カフェファラオの2頭はここが試金石になりそうです。




以上、今週の予想でした。印には挙げませんでしたが、明日はエアスピネル勝利の祝杯が挙げられることを期待しています。